ニュース: 2018年8月

Vitamin CとVitamon Eのエクササイズへの影響 (2018年08月19日)

過去のエビデンスではエクササイズへの生理的適応は身体のフリーラジカル抑制能力を高めることが示され、付随するエビデンスでは、カギとなるビタミンや栄養素がフリーラジカルの産生増大に関連する有害作用を軽減させる事が提示されている。

しかし、抗酸化栄養素の代表であるビタミンCとビタミンEに関する研究結果については多くの論争が繰り広げられてきた。

動物とヒトの両方で行われた過去の研究ではビタミンCとビタミンEの効果に関して相矛盾する研究結果が示されてきたが、それはトレーニング適応や酸化ストレスの評価における方法論的の違いに起因する。

エクササイズ時の高容量のビタミンCまたはビタミンE摂取や酸化還元ホメオスタシスに関する研究結果によると、非生理学的な量のビタミンCまたはビタミンEの摂取は、エクササイズを行う人々の健康にとって推奨されるべきものではないとしている。

ビタミンCやビタミンEは、酸化ダメージから細胞器官を保護する役割を果たす(Bradshaw MPら 2011)。エクササイズを行うとフリーラジカルの産出が増大し(Jackson MJら 2007)、フリーラジカルの産出は酸化還元状態における変化である。この酸化還元状態は遺伝物質やタンパク質、脂質の変質につながる筋や他の組織への酸化ストレスを働かせる(Powers SKら 2010)。

短時間のエクササイズは酸化物質濃度を一時的に上昇させるが(Bloomer RJら2010)、習慣的なエクササイズは酸化物質の減少や内因性抗酸化システムの働きを増大させる(Powers SK,ら2010)。抗酸化物質の経口摂取によって内因性抗酸化防御システムをサポートすることでエクササイズ時のパフォーマンスが改善し、また筋のダメージを減らし、酸化ストレスを減少させる方法として大きな注目を集めている。

実際にエリートアスリートを含むかなりの人数のアスリートが、パフォーマンスに好影響があると感じてビタミンサプリメントを服用している(Sobal Jら 1994)。しかし近年では動物およびヒトにおける実験で、抗酸化物質サプリメントの摂取が運動パフォーマンスにネガティブな影響を与えること示すデータも報告されている(Gomez-Cabrera MC,ら2008)。
他の研究では、抗酸化物質サプリを摂取することによる酸化還元ホメオスタシスや運動パフォーマンスへの影響が示されている(Higashida K,2011)。

Ashaのグループは、若いラット(4または8か月)、中年ラット(12か月)、老年ラット(22か月)にビタミンE(α-tocopherol; 50 IU/kg bw/day)を与え、12週間にわたって泳ぐ際の持久力を測定した(Asha Deviら 2003)。
全くトレーニングしていないラット(それぞれのグループに三匹の雄)には経口でビタミンEを与え8.5週間にわたって測定した。
研究の最後には、サプリメントを与えたラットの左右の心室のビタミンEレベルが17~44パーセント上昇した。
一般に、日常的にビタミンEを与えられた動物の心臓の脂質過酸化レベルは低い。老年の個体(例:22か月)を除けば全体的に、ビタミンEレベルの上昇した心臓ではカタラーゼ活性の上昇がみられた。
同様に、心臓におけるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性はサプリメントを与えなかった個体よりも与えた個体で高活性であった。
スイミングはラットの血中脂質プロフィールを改善し(例、過度の高コレステロール、過度の低コレステロール)、特にビタミンEを与えたラットにおいて顕著であった。
ビタミンEを与えられたラットは非トレーニング群に比べ、21%~31パーセント高い持久力を示した。この研究から、ビタミンEの摂取はエルゴジェニックな作用を誘発し、血中脂質プロフィールにも好都合に作用することがわかる。

Higashidaのグループは、トレーニングしていないラット(生後三か月の3匹のプラセボグループと生後三か月のサプリメントを与えられた6匹のグループ)にビタミンC(750 mg/kg bw/day)とビタミンE(α-tocopherol; 150 mg/kg bw/day)を与え、筋ミトコンドリアのトレーニング誘発性適応反応とインスリン感受性を調べた。ビタミンCとEを九日間与える方法とビタミン療法期間の最後の三日間にラットを泳がせるという二つの研究が短期間で行われた。
八週間にわたってビタミンを摂取させ、最後の三週間にラットを泳がせる長期的な研究も併せて行われた。
組織や血漿のビタミン測定は行わなかった。最後に行ったエクササイズではチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)が80%増加したが、ビタミンCとビタミンEを摂取していたラットでは増加反応が抑制された。
注目すべきは、過酸化脂質レベルが静止状態では抗酸化物質サプリは効果が見られないことである。
この所見を基づけば、多くの酸化ストレスマーカーレベルが静止状態で得られる情報量は、エクササイズを行った被験者にくらべ極端に少ないか、全く得られないであろう。言い換えれば、静止状態よりもエクササイズ後のほうが酸化還元状態における抗酸化物質サプリの効果を見つけやすいだろう。
一般に、長時間および短時間両方のエクササイズにおいて同様の適応が誘発される。手短にいうと、スイミングでは銅亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(CuZnSOD)、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)、peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha (PGC-1α)、チトクロムオキシダーゼⅠ、チトクロムオキシダーゼIV、クエン酸合成酵素、ATP合成酵素、コハク酸-ユビキノン還元酵素、NADH-ユビキノン還元酵素、長鎖アシルCoA脱水素酵素といったタンパク質の増加がみられる。それらのタンパク質の運動誘発性発現増加はビタミンサプリの摂取によって変化することはない。加えて4型グルコース輸送体(GLUT4)の発現やインスリン応答も、ビタミン摂取群とプラセボ群の両方で同程度増加した。

ビタミンCとEが運動後のミトコンドリアの適応増加に影響しないかったという事実に基づくと、高確率で持久力の変化は見られないだろう。
この研究に基づくと、ビタミンCとEの摂取が定期的なエクササイズにおける筋骨格系の糖代謝やミトコンドリアに関係した適応性応答の抑制や促進に関与することは無いだろう。

Gomez-Cabreraのチームは、ヒトと動物におけるランニング後に起こる生理的及び分子的適応へのビタミンCの影響を調査した(Gomez-Cabrera MCら2008)。ラット(生後三か月の六匹の雄)を用いた研究では、未訓練のラットにビタミンC(500 mg/kg bw/day)を経口摂取させながら、トレッドミル上を3週間または6週間走らせた。ビタミンCの経口摂取によって、血漿ビタミンC濃度は非摂取群に比べて三倍増加した。
ビタミンCの摂取はMnSODやグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)のmRNAレベル、PGC(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子)-1αのタンパクレベル、核呼吸因子1(NRF-1)のタンパク及びmRNAレベル、ミトコンドリア転写因子A(mTFA) の増加を妨げることがわかった。
さらに、ビタミンCの摂取はシトクロムC(ミトコンドリア生合成のバイオマーカー)の増加を鈍らせた。
さらに、ビタミンCの高容量の摂取はトレーニングの結果として起こる持久力の増大を妨害した。コントロール群のラットの持久力が187%上昇したのに対し、ビタミンを摂取したラット群は26%の上昇にとどまった。

Robertsのチームは、定期的にトレーニングを行う人々に対し一日1000mgのビタミンCを与え、トレーニング効果が改善するかを測定した( Roberts LAら2011)。HIIR(high-intensity interval running )方式で測定は進められた。トレーニングによって最大酸素消費量および運動パフォーマンスは改善した。
さらに想定通り、トレーニングによって脂質酸化率が増大し、炭水化物参加率は低下した。身体パフォーマンステストもエクササイズ時の基質代謝もどちらもビタミンCの影響は受けなかった。
結論は、ビタミンCの摂取は4週間のトレーニングによってもたらされるトレーニング効果に影響を与えることは無かった。

出典
Oxid Med Cell Longev. 2012; 2012: 707941.

上記のデータの他にも様々な様式でデザインされた数多くの研究結果がりますが、ビタミンCはトレーニング効果に全く影響を与えないという研究と、エルゴジェニックな結論を示している研究が散在しています。

ぼくは毎日高容量でビタミンCを摂取しております。
トレーニングパフォーマンスという面では、扱う重量の更新やレップスの更新など概ね好調。
それはビタミンCの摂取によっていろんな部位の障害が起こりにくくなったというのも根底にあると思います。
以前は急性腰痛をよくやっていましたが、メガビタミン開始後はすっかりなくなりました。

それと慢性疲労もなくなりましたね。
風邪もひきません。

本気でトレーニングしてる皆さん、たまに大風邪ひきませんか?

劇的にパフォーマンスが向上するというよりは、ヒトとしての根本的な機能が良好な状態で維持されるのでそういう意味ではトレーニング効果の下支えになっていると思います。

皆さんのビタミンC摂取後の体感はいかがですか?

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