ニュース: 2014年10月

高齢化社会と加圧トレーニング (2014年10月27日)

「廃用症候群」という症状を聞いたことがあるでしょうか?

廃用症候群は、身体を使わないことによる著しい筋肉減少や身体機能の低下が起きている状態を表しています。
原因は多岐にわたり、代表的なものには寝たきりや入院時のベッド安静があります。近年では無重力下での生活や災害による避難生活、各種要因による身体の痛みや麻痺による身体の不活動なども原因として挙げられています。

上記のような説明だと高齢者特有の症状と思いがちですが、全身性エリテマトーデスや脳梗塞、心臓疾患などなど長期間身体が不活化に陥るリスクは年齢に関係なく存在しています。

この廃用症候群は身体活動を制限している原因の除去や活動の活性化を計ることで回復が望めます。
そこで低負荷で行える加圧トレーニングが廃用症候群にどの程度有効かを追跡したケーススタディが学会誌に発表されましたので簡単ですがこちらに紹介します。

症例1 77歳男性 震災の避難生活による身体の不活化から廃用症候群を発症。歩行困難、日常生活困難。加圧トレーニング開始から3か月後、筋肉量は+5.15kgと著名に増加。脂肪量は2.7kg減少。握力1.5kg増加。杖が無くても歩行が可能になった。仕事への意欲も増加したが気分プロフィール検査を行っていないため客観的データはない。

症例2 84歳女性 脳梗塞 左不全麻痺による廃用症候群。 狭心症も併発。週二回、4か月間の加圧トレーニングを実施。筋肉量+1.5kgと増加。脂肪量-1.2kg 握力+5kg 。加圧トレーニング中の狭心症の発作発現は見られなかった。加圧開始一か月目には脳梗塞罹患前の明るい表情も見せ精神面での改善も見られた。

トレーニング後30分には2例共に、成長ホルモンが5~10倍に増加していた。

(Ikuo Sato : The Journal of Japan Kaatsu Training Society 2014 Vol.4 より)

このように、加圧トレーニングは廃用症候群に対して短期間に筋肉量・筋力・身体機能の著名な改善をもたらしました。これは今後の高齢化社会における、加齢による筋肉量の減少・それに伴う身体機能の低下や生活のクオリティの低下に対して加圧トレーニングが有力な手段になることを示しています。

予防医学の観点からも加圧トレーニングに対する期待がこれからも膨らんでいくものとおもわれます。

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